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2010年6月15日 (火)

リグエキスパート《AA-230PRO》使用感 その2

アンテナアナライザー「AA-230PRO」で「TDR(時間領域反射計)モード」を評価する予定でしたが, 手元にローパスフィルター(LPF)が複数ありましたので, 面白そうだと思い特性を比較してみました。感想として, 取り敢えずフィルターの性能も簡単に計測出来ると判断します。但し, 正確な測定値では無い可能性があり, あくまで参考値として活用し, 出来れば複数のフィルターを計測し比較評価出来れば判断しやすいと考えます。なお, フィルターの測定についてリグエキスパート社が保証しているものでは無く, あくまでもアマチュア精神での活用ととらえて頂くようお願いします

●評価物 ローパスフィルター
1)ケンウッド LF-30A   30MHz 1kW PEP
2)RF Inquiry LP3K     30MHz 3kW PEP
  挿入損失: 0.5dB以下
  ノーマルモード減衰量: -80dB~-100dB以上(150MHz以上)
3)シンワ電子 1001     55MHz 100W
4)八重洲無線 FF-501DX 30MHz 1.2kW PEP
Lowpassfilter

●比較項目
1)SWR ※表示範囲 1~2
2)リターンロス
3)挿入損失

●計測方法
1)接続 AA-230PRO - ローパスフィルター - ダミーロード D21M
  ・ローパスフィルターを正面に見て左がAA-230PRO, 右がD21Mです。
    ※フィルターを並べた写真ではダミーロードが逆に付いています。
  ・AA-230PROとローパスフィルター間は最短距離とするため同軸ケーブル
    は使わず中継コネクター「MA-PP」タイプを使用しています。
  ・ダミーロードはどの周波数でもSWR=1, R=50±j0Ωものを使用すること
    が理想的です。今回は手持ちで一番特性の良いコメットのD21Mを使用
    しています。
2)計測周波数範囲 2MHz~200MHz
3)取得したデータ(周波数, R, X)からSWR, リターンロス, 挿入損失を計算
  しグラフ化。
Lowpassfilter_2

SWRとリターンロスは一般的な計算式を元に算出していますが, 挿入損失はJP3PZDさんが導いた式を採用させて頂いています。
ローパスフィルターの一般的な計測方法はネットワークアナライザーなどで入力と出力の電圧比を計測し挿入損失として表します。アンテナアナライザーを使う場合, 入力側から見た計測値のみで判断しているため, ダミーロードやローパスフィルター自身の減衰特性がプラスされるなどで, 入出力計測に比べると正確とは言えません。あくまでも参考値とお考え頂き, 測定値そのものの評価では無く各フィルターの比較としてグラフを見てください。

●比較結果
1)SWR
  通過帯域の特性とカットオフ周波数を判断出来ます。
  ・通過帯域の特性
    LF-30A > FF-501DX = LP3K > 1001(50MHz)
  ・カットオフ周波数
    LF-30A,FF-501DX 30MHz
    LP3K            44MHz
    1001            54MHz
Lowpassfilter_swr
2)リターンロス
  反射損失とも言います。反射電力が大きくなるほどリターンロスの値が
  小さくなります(損失が大きくなる)。
  リターンロスでは通過帯域の特性とカットオフ周波数を判断出来ます。
  SWRの項目と同様の評価結果です。
Lowpassfilter_returnloss
3)挿入損失
  減衰帯域の性能を判断出来ますが, どのフィルターも凸状に-10dB付近ま
  で特性が悪化しています。
Lowpassfilter_insertionloss
  今回, AA-230PROとローパスフィルターの間を手持ちのいくつかの同軸ケ
  ーブルでつなぎ代えてデータを取り直していますが, そのたびに凸状の
  位置や幅が変化します。中継部材一つで大きく特性が変わるため, 何ら
  かの測定経路の影響があると思われます。これを差し引いて眺めると良
  い具合に減衰していると判断出来ます。
  なお, 通過帯域側の特性は中継部材の影響は少ないようです。

  10D, 長さ約60cmの同軸ケーブルを使用した場合の挿入損失特性
Lowpassfilter_3
Lowpassfilter_insertionloss_2

以上から, 通過帯域30MHzまでの性能で判断するとケンウッドの「LF-30A」が良いのですが, KW運用では耐圧が厳しいですね。他のローパスフィルターが入手出来たらさらに評価してみます。
なお, バーテックススタンダードのHF帯用KWリニアアンプ「VL-1000」ではローパスフィルターを内蔵していますが, スルーで使用する時はローパスフィルターが効かないそうです。別のローパスフィルターを常時あるいはスルー時のみ追加する必要があります。何だか納得出来ない仕様ですね。

他にアンテナアナライザーでフィルターを評価する良い方法をご存じでしたら教えてください。

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