まぼろしのBドライブ搭載 EPSON《PC-386NOTE AR》
友人からヤフオク出品を委託されたエプソンのノート型パソコン「PC-386NOTE AR」です。今から18年前に発売されたかなり古い機種ですが基本的な動作は問題無いようです。但し, 残念ながらバッテリーとオプション品のHDDが死んでいます。
メーカー : EPSON/セイコーエプソン
名称 : PC-386NOTE AR
型式 : PC-386NAR2
タイプ ; NEC PC-9800シリーズ互換アーキテクチャー
発売 : 1992年9月
CPU : AMD386SX(25MHz) 80386SX互換
メモリ : 1.6MByte(主メモリ640KByte+1MByte)
フロッピー : 3.5インチ 2ドライブ
液晶 : 10インチ, 白色8諧調 横640×縦400
OS : MS-DOS NEC版/EPSON版
付属オプション : 1)ハードディスク Logitec LHD-EN130 130MByte? 故障
2)拡張メモリ メルコ XRE-4000(4MByte)
特徴 : CPU, 液晶ディスプレイ交換可能
エプソンは1987年から, いわゆる「PC-98互換機」と言うパソコンを発売しており, 本機もそのシリーズ機種です。NECのPC-9800シリーズ向けに作られた多くのソフトがそのまま動作したようです。
小1時間ほどこのPC-386NOTEを触ってみましたが私も同じようなノートパソコンを使用していましたので非常に懐かしい思いです。
PC-386NOTE ARにはフロッピードライブが2基搭載されており, 「Aドライブ」,「Bドライブ」が存在します。現代のパソコンが「Cドライブ」から始まるのは1990年前後に主流だったフロッピードライブ2基搭載パソコンのA, Bドライブ割り当てによるなごりです。数年前まではフロッピードライブ1基搭載のパソコンが主流でしたのでAドライブを目にする機会あったと思いますが, さすがにBドライブなるものがあったとはご存じ無い方も多いのでは?
さて, 目の前にあるこのパソコンの性能はいかほどか?
ネットで集めた情報を元に私が持っているパソコンを題材にCPUベンチマーク「スーパーπ」で比較すると
発売年 機種 CPU 周波数 桁数 処理時間 性能差
1979年 PC-8001 μPD780C-1 4MHz 1000桁 8時間
1992年 PC-386NOTE AR AMD386SX 25MHz 3万桁 1.5時間 160倍
2008年 Core2 Quad Q6700 2.66GHz 419万桁 1分 200万倍
1979年 → 13年後200倍 → 16年後 200万倍
実際に計った値では無いので正確では無いかも知れませんが, 1979年のPC-8001を起点とすると13年後のPC-386NOTEは160倍とさほどの向上では無い印象です。ただ, 1992年のデスクトップ機はCPUがワンラク上の486タイプでしたのでもっと倍率は高く200倍以上はあったと推測します。それにしても2008年には200万倍となり指数関数的な伸びです。もはや単体CPUでの性能向上は限界らしくコア数を競う時代となって来ましたが, まだ性能が上がる余地がありそうですので楽しみですね。
私は1990年~1994年の間に計3台のPC-9800シリーズを購入しています。当時は既にエプソン機も98互換機として市民権を得て根付いていました。互換機路線の常道として「98に比べて同じ価格なら高性能」が売りでしたので当然購入候補にはなりましたが, 使用目的がJRA(日本中央競馬会)の電話回線による在宅投票システム「PAT」で, 当時は趣味の域を越え, ちょっと命懸けでさえありましたので, いつ何どき情勢が変わりエプソン機でPATが動かなくなる可能性もある, と考えて98を買い続けた記憶があります。NECは終始エプソンに対して対決姿勢でNECのMS-DOSにエプソンチェックなる小細工を仕込んでいたほどです。そのようなこともありエプソン機を敬遠していたのですが今となっては当時大した問題は無く, 同じ性能なら2~3割安かった(あるいは同じ価格なら2~3割高性能?)そうですので98購入は結構損していたかも。何せ3台の98本体購入(ディスプレイやプリンター含む)で計120万円はかかっていますので…
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