ビジネス・仕事

2015年1月24日 (土)

《寿命革命》の衝撃

新春の1月4日に放送されたNHKスペシャル「ネクストワールド 私たちの未来 第2回 寿命はどこまで延びるのか」は衝撃的なものでした。
●再生医療と3Dプリンターを組み合わせた臓器の再生
●人間の体内を動き回りがん細胞を見つけ出し,抗がん剤を発射するナノマシン
●どんな高難度の手術もミスなく行う手術ロボットの登場
●着々と進む若返り薬の研究
番組では2035年に若返り薬が「保険適用」されたことでの老夫婦の葛藤が未来ドラマとして描かれています。

これらの医療技術の急速な進歩により30年後の2045年には人間の寿命は100歳を超えると研究者は予測しています。まさに『寿命革命』の到来です。
私に取って,そんな話は初耳だったと言うか,まさか寿命がこれほどに延びていくものだとは夢にも思っていなかったので,いきなりこの番組に接してしまい数日間,頭が混乱しました。

今私は50歳ですので後20年すれば体が思うように動かなくなり30年後には寿命を迎える,と,だいたいそんな感じで毎年「後何年か~」と余生を算段しおぼろげにでも人生設計を意識していました。実際今現在だって60歳ころの引退を目指してプログラミングを介しての新たな収入の道を探っています。多分誰だって寿命を意識して似たような人生設計を立てているはずです。

それがいきなり「50歳なら余生が後50年はありあますよ,旦那。しかも意外と元気に生きられるんです」と耳元でささやかれたわけです。到底信じがたい,と言うか今立てている人生設計が根底から崩れてしまう。どうしてくれるんだ。たかが一報道番組のせいで俺の人生の方向性がグラグラになったじゃないか! みたいな。

本当に30年経ったら平均寿命は100歳になるのか? 私は番組を見ていて半分懐疑的に思っていました。だって,医療革命は分かるが財政難だとか世界情勢の変化だとか世の中に取ってプラスな材料があまり無いじゃないか。たとえ若返り薬が完成したとしてそれは一部の富裕層のためのものだろう,と。

ところが次の週に放送されたNHKスペシャル「討論 シリーズ日本新生 ニッポン"空き家列島"の衝撃 ~どうする?これからの家と土地~」を見て考えが変わりました。
番組では急速に進む日本のすさまじい高齢化と人口減少が生み出すさまざまな負の側面が紹介されていました。税収の落ち込みや地方都市の荒廃など。

「超高齢化と人口減少」について改めて考えさせられました。そして前週に放送された「寿命革命」。この二つが頭の中で一つに結びつきました。もし志のある政治家や官僚なら若返り薬をはじめとする医療革命に日本の命運を託しビジョンを考えるだろう。あながち寿命100歳は夢では無い,と考えるようになりました。

健康寿命が
後20年か
後40年以上か
はたしてどっちか?
もし40年以上だとすると人生設計そのものを抜本的に見直す必要があります。

一番の問題は「年金」を始めとする社会保障でしょう。このシステムは抜本から変化すると予想されます。元気な年寄りが働き可能な限り社会保障の受給側にならないよう求められると思います。
そうだとして40年後には今と同じ仕事はありません。
NHKスペシャル「ネクストワールド 私たちの未来 第1回 未来はどこまで予測できるのか
番組で紹介されていますが多くの仕事がコンピューターに取って代わられます。私にはどんな仕事が待っているのか想像出来ません。

健康寿命が後40年以上とした場合に予想されることは今のところ,40年後も何らかの仕事をしていて社会貢献をしているはず,と言うことだけです。それでも,その前提の人生設計を今から立てておく必要があるでしょう。急死して人生を終わることもあるでしょうから後20年と40年の2本立てで人生設計が必要です。

この寿命革命の番組を見たのか見なかったのか,見たとして意識していたかしていなかったか,大げさですが大きな人生の別れ道が2015年1月4日にあったわけです。

さて,何から始めましょうか…

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2012年7月 3日 (火)

英語の次は《ジャバ語》 楽天 三木谷社長

楽天の三木谷社長と言えば, 社内の公用語を「英語」にすると言うたいへんドラスティックな改革をおこなったことで, さらに注目されている方ですが, 昨日7月2日の日経Web版に掲載された三木谷社長へのインタビュー記事で「英語の次はジャバ語」と述べられています。

「ジャバ語」とは「java」のことで, 今は無きサン・マイクロシステムズ社が築き上げたコンピューター用の「プログラミング言語」です。

こんな感じ
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public class HelloWorld {
    public static void main(String[] args) {
    System.out.println("Hello java world");
  }
}
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三木谷社長は, なんとプログラミング言語を公用語にする!と言っているわけです。

なんだこれは。なんと突飛な。もはや私の理解力ではついていけないところもありますが, これから日本が世界と戦っていくためには「英語」や「プログラミング言語」を流暢に「話せる」ことがもはや必須なのかも知れませんね。三木谷社長の先見性と言うか強力なリーダーシップはたいへん魅力的に思えます。


で, この記事でもって私の考えもガラっと変わってしまいました。

私のブログ記事は自分の趣味について,「何かを始めたい」「ちょっとだけ始めた」と言う内容が多く, その後が続かず中途半端なのですが, 腰が重い他にそれなりに理由がありました。

1)今は軽く手を着け, 定年後にどっぷり趣味に浸かりたい。
 だからちょっとづつ手を着けていても気にならない。
2)趣味どころでは無く, 食いブチのためのスキルアップをすべき。
 →でも面倒→ちょっと趣味に戻る→また改める のループ

どうにも優柔不断, どっちつかずでダラダラしていた訳です。

しかし, 仕事場(電機業界)の雲行きも怪しい。
ブログで掲載した太陽活動低下による寒冷化(ミニ氷河期, 小氷期)は池上彰さんのテレビ番組でも取り上げられ, どうやら本当にありそうな感じです。
また, 先日のNHKスペシャル「MEGAQUAKEⅡ 巨大地震 第3回“大変動期”最悪のシナリオに備えろ」では近い将来起こる可能性の高い首都直下地震や富士山の噴火について特集していました。

そこへきて, プログラミング言語がこれからの「言葉」だと言われた訳ですから, 開眼したと言うか, 頭を殴られたと言うか, まあ震え上がっている訳です。

まさに, 趣味なんか放っておいて今すぐに「最悪のシナリオ」に備えろ!と闇の声が聞こえてきます。

私(わたし)的な備えと言うか最終目標は「西洋占星術を元にした競馬の予想屋」になることです(笑わないで下さい, 勝算はあります)。さらにはソフトウェアを最大限に活用してほとんどの作業を自動化したい。そうすることで本業と副業を両立しつつ大きな収入を得たい。そう算段しています。


実は1週間ほど前から四十の手習いでMicrosoft社のプログラミング言語「Visual C++」について勉強を初めていました。

「Visual C++ 2010 パーフェクトマスター」と言う700ページもある分厚い教本を2冊も買って, 1冊は裁断してpdf化(いわゆる「自炊」)していつでもどこでも読めるようにしました。

Visual C++ 2010 パーフェクトマスター 2冊購入し1冊はpdf化 Visual C++ 2010 パーフェクトマスター

プログラミングはすでにVisual Basic(VB)を習得しており, 大小いくつかのプログラムコードを制作し実際に業務でも活用しています(同僚にも使ってもらっています)ので, 初心者と言う訳でも無くわりとサクサク100ページくらい読んだのですが…, これからは「java」だと三木谷社長にいきなり言われてしまいました。

「java」か「C++」か…

どちらも根幹をなす重要なプログラミング言語ですが, ネットで散々調べたところではだいぶ毛色が異なる言語のようです。

そのことは2年以上前に調べて分かっていて(極論だと C:スピード vs java:汎用性), どちらにするか迷っていたのですが, 参考となるソースコードが公開されている割合がC++の方が多いだろうと勝手に思い込み, わりと安易にC++を選んだわけです。

まあ, どちらも覚えるにこしたことは無いのですが, 中年の硬い頭では両方覚える(と言っても色々段階はあるでしょうが)には丸2年くらいかかりそうです。

javaもだいぶ枯れた言語のようですが, 管理元のオラクルはまだサポートを続けると公言しており, Webアプリとしての親和性もC++よりは遥かに高いようですので, やっぱりjavaを先に覚えるべきかも知れませんね。

と言うことで, 頭を切り換えて早速今日から「java」を勉強することにしました。

最終目標は「西洋占星術を元にした競馬の予想屋」。

スケジュール(2カ年計画)
3カ月 javaを覚える
3カ月 既存の占星術用プログラムコードを解読し理解する
1年間 過去の出走馬データを当て込んで占星術的な分析をおこなう
6カ月 自動予想, 自動配信システムを確立する

※実は上記のプログラム内容ならjavaやC++で無くても, VBで十分作れますが, なんかプログラマーとして見ると本流で無くてカッコ悪いし, web対応だとか, 複数プラットフォームだとか後々の話も考慮するとjavaになりますね。

とは言っても言うは易し, さて, どうしたものか…

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2012年6月 6日 (水)

《クリエーターとサーバー》コンピューターが変える未来

6月3日(日)に放送されたNHKスペシャル「コンピューター革命 最強×最速の頭脳誕生」は"なるほど"と思う番組でした。

放送内容としては, 理研と富士通が開発した世界最高速のスーパーコンピューター「京」(けい)と, 2011年2月にアメリカのクイズ王2人をぶっ千切ったIBMの人工知能マシン「ワトソン」の動向を切り口に, 高性能コンピューターが変えていく未来を描いています。

理研, 富士通 スーパーコンピューター「京」 K computer 理研, 富士通 スーパーコンピューター「京」 K computer

IBM - Final Jeopardy! and the Future of Watson IBM - Final Jeopardy! and the Future of Watson

番組では, 圧倒的な計算速度によって生み出される「創薬」や「心臓シミュレーター」,「予測型防災システム:都市部での地震避難シミュレーター」,「脳の共有」や, 高度に発達した人口知能による「バーチャル人格」と言ったSFに描かれていたはずの遠い未来が10年, 20年後には実現すると予言しています。

衝撃的なのは
「人間に使われるコンピューター」
から
コンピューターに使われる人間
に変化していくと説いていることです。

例えば, 医療の分野では「機械学習」と言う人口知能システムを使って, 膨大な症例の蓄積と的確な判断力を元に正確に診断を下す「バーチャル名医」がもうすでに現実のものになろうとしているそうです。

これらの話題はすでに富士通総研, 伊東会長の個人ブログ「千秋日記」でも取り上げられています。

84 IBM製人工知能マシン「ワトソン君」から学ぶこと 2011年10月19日
124 若者の就職難 その2(ITが消滅させる職種) 2012年3月22日

ブログ記事中で, ワトソンがクイズ王に勝った翌日2011年2月17日に発刊されたWSJ誌(ウォールストリートジャーナル)に載った1面記事「Is Your Job an Endangered Species ?:貴方の仕事は既に絶滅危惧種では?」を紹介しています。

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千秋日記の記事の一部
「これまで、職業は『ホワイトカラー』と 『ブルーカラー』に分類されてきたが、これからは『Creators』と 『Servers』に分類し直される。」と述べている。ここで言う『Creators』 とは、今までにないものを生み出す職業、画家や作曲家などの芸術家、建築家、コンピュータプログラマーや服飾デザイナーなど、新たなものを創造する職業のことらしい。一方、『Servers』は、その名のとおり単なる、命令されたことだけ忠実に行うという『召使』的な職業のことを言うのかと思えば、それがとんでもない話に発展する。

WSJが言う、『テクノロジーによる絶滅危惧職種』には、医師、弁護士 、金融トレーダーまでもが入っている。
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近い将来, 職業は「クリエーター」(創造業)と「サーバー」(給仕業と表現?)に分類される, と言っていますが, 今回のNHKスペシャルではその方向性を裏付ける内容となっています。

ところで私は新聞を取っていませんが, 各新聞社サイト(朝日, 読売, 産経, 毎日, 日経)やボータルサイト, 有名ネットニュースの無料記事を毎日見ています。それらの記事にざっと目を通せば大体の出来事が分かります。最近は各新聞社が有料化への模索を強めていますが, 無料記事に慣れた身としては新聞社の収益向上, あるいは減収のくい止めに繋がるのか難しいように思っています。
また, ネット掲示板を見ていると, 最近の若い人は「テレビを見ない」ことを自慢しています。それも多数の人が。確かに最近のテレビは面白い番組が減ったようにも思うしネット漬けだとテレビを見ている時間も惜しいでしょう。原発関連報道とかその他, テレビ番組には偏り, 偏向があると疑っている人(特に若い方)も多くテレビ離れに拍車をかけているようです。これらの事象から負のスパイラルが加速しあと10年すればテレビの時代は本当に終わるのではと思っています(アメリカでは既に終わっているらしいですが)。
CDが全く売れないって話しもあって音楽業界の危機感は大変らしいですが, 一方でバーチャル歌姫「初音ミク」はGoogleのCMにも採用され世界を巻き込み大きな社会現象になっています。

何を言いたいかと言うと, これからは「クリエーター」の時代だとしても膨張するデジタル・ネット経済の元では「クリエーター」の定義すら刻々と変化していくのではと言うことです(上げた事例は若干的外れですが)。

私の一人娘が社会に出るころにはそんな激変の時代でしょう。クリエーターとサーバーでは天と地ほど暮らしぶりに差が出ることが想像出来ますので是非ともクリエーターに就かせたいところです。さらに時代の変化に柔軟に対応出来るほどの多彩な創造力や能力も身につけてほしい。しかし… 日頃娘を見ていてとてもクリエイティブな人間とは思えません(自分がそうだし^^;)。これは困りました。まあ, だとしても何か芽を見出して育てていく努力が娘のためにも最大限必要なようです。

今回のNHKスペシャルでは, 2020~2021年を想定したミニアニメを放送していましたが, 主人公の女子大生まこが「人間にしか出来ないこと、私にしか出来ないことを目指す」と結んでいました。そう考えればいくらでもやれることはありそうで, 少し気が楽になります。

とは言っても, さて, どうしたものか…

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